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サラリーマンがチャレンジ!自然農1春〜夏

自然農について


2008年よりスタートしましたマガジンの新コーナー
「自然農について」の記事を随時まとめていきたいと思います。


第1回
自然農について




勝手に育った水菜





ひと言でご紹介とするならば、無農薬・無肥料栽培です。
自然の木々は肥料をもらわなくても大きく育ち実りを結びます。
農園をどのようにして自然の森のような状態にするか
という事が課題だと解釈しました。
同時に余計な資材、たとえばポリポットやポリマルチ
など従来必要とされてきたものを必要としない農業を
実践する事が必要で、生産の中にある無駄なエネルギー
を削減する
事も課題です。

無農薬・無肥料栽培なんて本当に可能なのでしょうか?
私も半信半疑ですが、昨年のトマトは無農薬・無肥料で
育ってしまいました。勝手に生えた水菜は虫食いもなく
今も育っています。
となりの畝の大根の葉は虫に食われていると言うのに・・
商品価値のある野菜ができるのか実践してみる価値は
あると思いました。

当然!一度には無理です。
私も一部からスタートします。
皆様も1畝からスタートしてみてはいかがでしょうか?
自然農といっても従来の農業・家庭菜園を進めたい方にも
参考になる情報がたくさんあります。ご期待くださいね。



第2回
森を作れ!微生物のチカラ




微生物の姿。
菌糸を伸ばしています





■森を作れ!
自然の森を農園に作るという事とは具体的には
どのような事でしょうか?
森で木々は育っても野菜は無理でしょう。野菜が
育つ自然を農園に作ればあとは野菜が勝手に育って
くれるはずです。野菜が育つ環境とは・・・
私なりに「草むら」だと解釈しました。
適度な日当たりがあり、水分もあって、いろんな
植物が育ち、虫がいてたまに小動物がやってきて。
頭の中でそんな環境だと思い描きました。

■微生物のチカラ
でもそんな環境は人間の手では作れません。
自然は地球しか作れません。
しかし、自然まかせでも野菜が育つ環境になるか
どうかはわかりません。ですからほとんどは自然に
まかせて、ちょっとだけ人間が手を加えて野菜が
育ちやすい自然にしてしまいましょう。
その第1歩が生態系の底辺である微生物のチカラ
だと判断しました。微生物を飼う事からスタートです。

微生物のチカラは自然農意外でもボカシ肥と
聞けばおなじみですね。従来の有機農でも自然農
でもこの微生物が大切のようですね。

第3回
肥料の正体は微生物?




団粒構造を作れるのは
微生物や小動物です。






■微生物=肥料
「微生物」について知られざる役割について
ご紹介したいと思います。
目に見えないだけに説明だけではピンとこない
のですが、実践して確かめたいと思います。

無肥料のカギが微生物にあるようです。
微生物の役割の中には作物の肥料や微量要素を
補給してくれるものがあるようです。
これは最近始まった事ではなく原始の地球が
出来た頃から行われてきたようですね。

従来の農業では肥料がないと作物は育たない
という前提ですが、実は肥料は人間が与える
養分だけではないのですね。
ズボラな家庭菜園の野菜のほうが育ちがいい
という経験が誰しもあると思いますが、実は
微生物が最大限に活動していればそちらのほうが
良い育ちをする可能性は十分にありますね。

自然農とはこれら微生物の特性を最大限に
引き出す農業
と言えますね。
もちろん従来の農業でもボカシ肥や微生物入り
肥料も市販されていますのでそれらを使えば
同じような効果が出るはずですね。

団粒構造を作れるのは微生物や小動物だけです。
大切に育ててあげましょうね。




第4回
土壌は発酵型?腐敗型?






























微生物が作る土壌について考えてみましょう。

■微生物で土壌が決まる
たくさんの微生物が土の中で活動している事が
わかりましたね。微生物の役割の一端も
わかりました。さてこの微生物ですが、数えきれ
ない微生物の全体量で土壌が変化する
ようです。
微生物でもいい者とわるい者がいるようです。
いわゆる善玉菌と悪玉菌。

たとえば牛乳
牛乳+善玉菌=ヨーグルト
牛乳+悪玉菌=腐敗した牛乳
(確実におなか壊します。。)

さらに大豆
大豆+善玉菌=納豆・味噌
大豆+悪玉菌=腐敗した豆
(食べられません。。)

そして米ヌカ
米ヌカ+善玉菌=漬物床やボカシ肥
米ヌカ+悪玉菌=腐敗した米ヌカ
(うじ虫がわきます。。)

上記の式を農園を材料に想像してみましょう。
発酵と腐敗。どちらが良いかもうはっきり判断
できますね。ポイントは善玉微生物をたくさん
飼う事
のようですね。



第5回
まずは場所選び。
あなたの農園は?
































どこを自然農にするかは重要ですね。
自然農では農園に自然を作る事となります
ので以下の判断をしてみました。
場所の選択でスタートがうまくいくか
大きく左右されると判断します。やり方も
変わってきますからね。ここでもなるべく
手間をかけない選択をしたほうが賢明ですね。

1)環境変化がなるべく少ない場所
雨が降れば洪水。晴れれば砂漠。風が吹けば嵐。
そんな場所を選択してはせっかく作ろうとして
いる自然が一瞬にして壊れてしまいます。なる
べく自然を維持できるところを選択しましょう。

2)なるべく汚染されていない場所
汚染とは汚いという事だけではありません。
薬品やゴミ、肥料なども多量だと汚染とします。
長年慣行栽培を続けた場所で毎年多量の肥料を
入れた場所は避けたほうがいいかもしれませんね。

3)昆虫類がなるべくたくさんいる場所
春先や夏を思い出してみてください。
ミミズやクモ、ゴミ虫、だんご虫、とにかく
虫がたくさんいた場所を選択するといいと
思います。これらの虫が存在するという事は
かなりの数の微生物や昆虫類を餌にするカエル
や蛇もいるはずです。すでに自然があれば自然農
は早く実現します。
場所選択ができない方もいると思います。
そんな方もご安心ください。
自然農を実践すれば必ず自然が帰ってきます。
場所が決まれば次は実践です!
さあ!皆さんも自然農をスタートしてみましょう。



第6回
耕起?不耕起?




こんな感じで破壊していきます
ついでに作物も食べていきます
破壊神ですね。






















さあ自然農の実践です。作付け準備をしましょう。
その場所に作付けする野菜に合った準備をして
おく必要があります。長いサイクルで次のような
順に農園を管理していく事になると判断しています。

1)耕起して根菜類を作る
2)根菜収穫完了後そのまま次の作物を作る
3)1に戻るか2を永続させる

■耕起する場所

自然農といっても耕起する場合もあります。
自然農が完成していない農園で大根やじゃがいもを
作付けし、一定の商品価値を持ったものを収穫
しようとすると耕起はある程度必要だと判断します。

自然界では耕起という行為はありませんが
大型動物が踏みつけた。イノシシがミミズを食する
のに掘り返した。などの自然破壊がこれにあたります。
これによって微生物の相が変化し、一時的に繁殖
旺盛で豊かな場所になります。
若干、こじつけのような感もありますが、備中クワ
やスコップ、小型管理機で荒く耕起しておきましょう。
作付け前でも問題ないと思います。重いトラクター
での耕起は絶対しないようにしましょう。
今の日本に
象はいませんからね。笑

ボカシを1平方メートルあたり1つかみ振り混ぜて
微生物の繁殖を助けてもいいと思いますが、これは
必ずしもしなくてもいいと思います。


■耕起しない場所(冬期の畝管理)

前作の畝をそのまま使って作付けする場合は種まきや
定植までに草を生やしておいてください。
ボカシを1平方メートルあたり1つかみ振っておいても
いいと思います。草で微生物や小動物を増やし
続けてください。今の時期は草も暴れないので
作付けまで何もしなくてもOKですね。

余った資材(ワラや籾殻など)があれば畝の上に
かけておいてください。微生物の繁殖を助け、資材は
自然に堆肥となります。
とってもかんたんですね。
すべてがこうなればとっても楽ですね。


第7回
草をコントロール




草は本当に敵でしょうか?















■草の様子を見てみましょう

まずは草について少し考えてみましょう。
草は意味もなく生えているでしょうか?
違いますね。しっかり意味をもって生えて
います。まずは草を見て草から農園の様子を
判断してみましょう。

スギナが生えているか?
スギナは酸性土壌に生えるといいますが
ちょっと違うようです。酸性土壌に生えて
土壌の酸性化を改善してくれているようです。

ギシギシが生えているか?
この草は固い地盤を突き抜けて根を深くまで
成長させます。これによって深くまで
耕さなくてもよくなります。

草は多彩か単独か?
一般的に草はムダな肥料を吸収してくれると
言われています。草は本来肥料は必要ではなく
肥料なしでも元気です。多様な草があれば
生物(生態系)は豊かです。単独の草が元気な
場合は生物(生態系)はあまり豊かではありません。


■草をコントロールしよう

最初からうまくいくとは考えてないですが
草をどうにかしないと野菜の生育が悪くなったり
します。かといって、まるまる退治していては
自然農の効果は期待できません。

うまくコントロールしましょう。

うまく生やせば農園の保温・保湿。土の流出防止
などとなり微生物も育ってくれます。
草をコント
ロールすればマルチなどのコストも減り、草対策
の技術も自然に身につくものです。



驚きの発芽
ほうれん草のたねまき後・・・



↑こんな元気な芽が・・ ↑こんなに沢山発芽しました。

いろんな書物に書いてありますが・・・
ほうれん草は石灰をまいて土壌を中和してから
たねまきしないと発芽率が極端に悪くなると。
実際に今まで半分から6割程度の発芽しか確保できていませんでした。
それも少々高価な有機石灰をまいて耕し1週間おいてから種まきし
水やりを管理してやっとです。

しかし・・自然農で耕起さず、雑草や枯葉の中にたねまきしたほうれん草は
ほぼ100パーセントでしょうか。。
みんなきれいに発芽して元気です。



第8回
具体的な草のコントロール方法



↑草コントロールなし


↑草コントロールあり

こんなに違いが出るんですね!
コントロールしていない方は
畝の形もわかりません。
■草をコントロールする方法

草を抑えるには2種類の方法がありますね。
草を生やして管理する方法と。。
草を生やさないように徹底的に抜いてしまう
方法ですね。今までにも草の役割などのお話を
してきましたのでもうお分かりだと思いますが
自然農では草を生やして管理する方法を
オススメ
します。
●コントロール1
まずは草を生やします。
次に高さが20センチほどになって作物に影響が
出る前にカット
します。
その時草の根を2センチほど残してカットします。
カットした草は作物のまわりに置いて作物の
周りの草を抑えます。


●コントロール2
畝を作って整地します。
草が生える前に地表に太陽が当たらないように
刈り草を敷き詰めます。
少々草は生えますが気に
しなくてもOKです。
私はおもにこの方法を実践しようとしています。

1は何度か草を刈る必要があります。
2は一度草を敷いてしまうとしばらくは何も
しなくてOKだと判断しました。
このほかに作物で草を抑える方法もありますが
これは次の機会に。









第9回
自然農で使う種(タネ)



自家採取の種












■自然が自然と呼ばれる理由

慣行栽培では早く作って早く出荷すれば高く売れる。
季節に合ってないもの、旬でないものを作れば高く売れる。
この思想が環境を壊しています。
今では地球の悲鳴がはっきりと聞こえますね。

自然農は自然に任せて最高の作物を作るので
作物が成長するのに適する環境を待つ必要が
あります。まずはタネと作物の適期を考えてみましょう。
自然とは地球のリズムですね。季節や動物の営みです。
人間がどうする事もできないものです。

自然が自然と呼ばれる理由ですね。


■小さい種の大きな役割

タネがスタートです。スタートが悪ければ
ゴールに着けません。

病気の種。
生命力の弱い種。
薬に漬かった種。
こんな種はあまり良くないはずです。
健康で生命力のある元気な種を使いましょう。
良いスタートができるはずです。
まずは皆さんの農園や気候に適したタネを入手しましょう。

入手先はHPでご紹介していますので参考にしてみてください。





第10回
畝(うね)の話



草を生やした畝









■畝立て

60センチ幅で高さ20センチほどの畝が
一番使いやすいのではないでしょうか?
新たに畝を立てる場合は、今後その畝を
何度か使う事になりますので光の当たり具合や
雨水の逃げ具合など地形にあった配置にしましょう。
畝自体は慣行栽培と特に変わりありませんね。
耕運機を使って合理的に作業を進めてもいいと思います。


■前作の畝を再利用

おそらく地面を這うような草が生えていると
思います。そのままでOKです。種まきする
ところだけ草を削ってください。
できるだけ草を生やしておくといいです。
不意に霜がおりても草があれば凍る事は
ありませんし、適度な水分もあるので
水やりもしなくてすみますからね。
畝が低くなっていたり、肩が崩れていたら
クワで直してください。








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